過ちは、何度だって繰り返されてしまうから



          
不器用な人の不器用な生き方。






誰かが泣いている


女の子だ。



誰かだなんて、思い出せない


知っているのに、ずっとずっと愛しかったのに


憧れだったのに




泣き止んでよ

アンタのこと、思い出せないけど


でも、アンタに泣かれたらつらいんだ



だって、アンタはずっと…





「切原ッ!」



「へ?」



「へ、じゃない。

 今は授業中だ寝るな!」



「すんませーん」






教室中がいっきに笑いにつつまれる。






ここは、こんなにも笑顔にあふれた場所だ


けれど、あの人のクラスは?

先輩らが言いふらしたから、きっと冷たい空気だろう




もしかしたら、イジメにあっているかもしれない







俺は、どうして守れないんだろう

先輩たちが、嘘を言いふらすのを黙ってみていて


先輩の言っていることが、嘘だって知っていたのに




先輩は何もしていないって、分かっていたのに



なのに、先輩たちを止めることも

先輩が嘘をいっている、って言うことも


先輩を守ることもしないで。





俺は、悪くない

俺は、なにもしていない。

悪いのは全部、先輩たちだ

何もいわない、先輩だ






確かに、先輩達もあの人も悪い

だけど、何もしていない俺だって悪いんだ





ああ、分かっているさそんなこと


何かをすることだけが、罪じゃなくて


何もしないことも罪だということ



ちゃんと、分かってるよ




だから、泣かないで 








今から、守るから


アンタの全部、守ってみせるから




だから、泣かないで

だって、アンタはずっと…笑っていただろ?







「なぁ、聞いたか?


 仁王先輩、3年の女子の飛び降り自殺に巻き込まれたんだって」



「3年の女子って、先輩か?」



「そうそう。びっくりだよな、あの人昨日部活に来ないと思ったら自殺だなんて」





先輩が、飛び降り自殺?

そんな馬鹿な。




「おいッ」



「な、なんだよ赤也。ビックリさせんじゃねぇ…」



「その先輩たち、どこの病院に運ばれた?」



「えっと、確か…

 大学付属病院」







守る、っていう決心が遅すぎたんだ


もっと早くに、していたら



助かっていたのかもしれねぇのに



「許して、くれっかな」






謝ることも出来ないなんて、ひどすぎる




無事でいて…

2人とも、無事でいて…。









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