ふと、巴が腕を押さえているのが視界に入った
「痛い?」
「え?…」
「その腕、痛いんか?」
「……。大丈夫だよ」
「さよか。
もう寝たほうがええんとちゃう?
夜更かしは明日がキツいからの」
「…うん、じゃぁオヤスミ」
「仁王っ!」
「…なんじゃぁ」
寝ぼけまなこのオレの腕を引っ張って
今すぐ学校へ行きたがっている
コイツ、また窓から入りよったな
「行こっ」
「まぁた窓から入ったじゃろうぅ」
「えへへ。
それよりも、学校行こうよ!みんなが待ってる」
「は…?」
こいつ、忘れたんか?
自分がどれだけヒドイ目にあったのか。
否、その疑惑はすぐに晴れた
目の下のクマと
真っ赤になった目
そして腫れ上がった瞼
安い願望を抱いている、とすぐさまに分かってしまった
もしかしたら今日は違うかもしれない、昨日とは違うんだ。という安い願いを
「寝すぎー」
「行きとうなか。
つまらん学校なんか、行きとうなか」
「…どうして?どうして仁王がそんなこと言うの」
「…」
「仁王は何も辛いことなんかないじゃないっ
靴箱ドロドロにされたり、机に落書きされているのは仁王じゃなくて私なのにッ!」
「…」
「どうして?我慢できないのは、私の方なのに
なんで仁王は行かないの?
全部、全部私のせいなんだ」
「!」
「仁王なんか大嫌い!
もうほっといて、構わないで!」
それからはオレを避けるようになった
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