1に、決して浮気はしないこと
2に、告白されても、傷つけずに断ること
3に、私たちが付き合っていることをバラさないこと
4に、何かあったら必ず言うこと
これが、跡部景吾と私、 の間にあった束縛だった。
最期の恋人
「また、浮気したでしょ。」
それがの口癖。
「してないっつの」
「してた」
本当はした。
「私に何か不満でもあるの?
景吾の欲望は私では満たされない?」
ヒステリックに近い音域で問われるとイライラする
「お前じゃ、つまんねーんだよ」
だから思ってもないことをつい口走ったりしてしまう
『つい』ですまされる言葉ではないのに
「もう、別れようよ。」
「何でだよ」
「私じゃつまんないんでしょ?
どんなに景吾に好かれようと努力してもまるで意味がない
こんなの、嫌」
さっきのヒステリックとは打って変わって
やけに落ち着いた声だった
「そんなに別れてーんなら、別れてやるぜ?」
別れたく、ねーよ
つまんなく、ねーんだ
ただ といると自分が自分じゃない気がして
ほかの女に心を開いてしまう
そう、俺は元にもどりたいがために愛している女を傷つけた
ひどい男だ
この会話はもうかれこれ2年以上も前の話になる
あれからは声が潰れそうになるほど泣いたと
侑士に聞いた
現在はと侑士が付き合っている
喧嘩は少しするそうだが
うまくやっていると
度々報告をうける
侑士は侑士なりに俺に気をつかっていて
は俺をさけている
俺の行動の所為で
友達と恋人を失ったような気がして
もどかしさを覚えた
「じゃぁ、は本当にあの人のことが好きなの?」
聞き覚えのある名前が聞こえて
心臓が飛び上がりそうになった
「うん。変、だよね。
あんなに酷いことされたのに今でも景吾のこと好きなんだ」
何ナンダヨ
上手くやっているんじゃねーのかよ、侑士
「」
「っ!」
「侑士と上手くやってるんじゃなかったのか?」
「っ………、聞かなかったことに、して…
今聞いたこと全部、忘れて?」
半泣きの状態で願われても
そう易々と忘れられるほどショックが小さかったわけじゃない
「俺なんかを、好きでいるな
お前が傷つくだけだ。を守れるのは、俺じゃなく侑士なんだ」
「…分かってる。そんなこと分かってるよ。
だから侑士と付き合ったんじゃない!」
「とんだ我侭だな。
俺はお前を傷つけた、傷つけられたお前は泣いた
なのに、何でお前は侑士を傷つける?
そんな権利、傷つけられて泣いたお前にはねーよ」
の友達のとかいうやつは
いつのまにか居なくなっていた
修羅場な雰囲気で気をつかったのだろう
「我侭でも、結構。
私が景吾を好きなのには変わりないもの」
「俺のことは忘れろ」
「本当にほしいのは思い出じゃない、今なんだ」
「今が欲しいのか?」
「そうよ。」
「なら、くれてやる。
今だけを」
そういって軽くの唇に触れた
「今だけが欲しいんだよな?
過去も未来もいらない。ならこれでいーだろ
これからは俺を忘れて侑士だけを見て前に進め」
「嫌。いやだよ。
景吾と一緒に前に進みたい」
「文句いうな。
これでお前の我侭も終わりだ」
もう、俺たちには未来は存在しないんだ
オワリ