「もしかして、ケーちゃん?」
彼色一筋
「アーン?ケーちゃんて誰だよ」
「…え」
あぁ、そっか。
合い言葉言わなきゃ
「お、『おおきなおうち』っ!」
「『おおきなおうち』…か?」
「ケーちゃんっ!!」
「お前、何しに来たんだ」
「何って…ケーちゃんに逢いに…」
「…シケるっつの」
はい?
私がフリーズしている間にケーちゃんはズカズカと部室を出て行ってしまった
「何で…」
すぐさま、彼を追いかけた
練習に戻ってしまったようだ
コートにケーちゃんの姿がある
だけど私はそんなことおかまいなしに
叫んでやった
「何でなのよー!!!」
びくっ、と当たりにいた人たちが肩を上げて驚いた
「シケるってなに!?
アンタが会いに来いっつったから私はわざわざ来てやったんでしょーが!!
アンタ、阿呆ですか!? 氷帝じゃぁ誰もが従うお偉いさんでしょうがね、私にゃあ全く関係ないんですよーだ!!」
「アーン?」
「ケーちゃんが私のこと好きだって言ってくれたから私は会いに来たの!!
なのに何!?シケる?? それだったら、また会えるとか合い言葉とか愛の言葉なんて言わないでよ!」
「跡部…好きとか言ったんや…」
「えー…どっちかっていうと言われるだけのタイプと思ってたC−」
なに?ケーちゃんって好きとか言わないタイプ?
「…むぐっ」
ケーちゃんに襟を捕まれ、ズルズルと引きずられる
首しまってるって!
首!首!く……
漫画でいうなら、ベショっという文字が書かれたであろう
文字通り、私は地に投げ捨てられた
ここはどこだろうか、首が絞まっていることに精一杯だった私は周りの変わる景色を見る暇もなく連れてこられた
ザッとみて分かるのは、おそらく校舎裏だということだろう
こんなところに、強制的に連れてこられたのなら
悪い予感しかしない。
顔を真っ青にしてケーちゃんの顔を見ていると
「普通、男の方が会いに行くだろうが…」
「…」
「オレは、お前の家を探して見つけた。
あとは決心して行くだけだったんだぜ」
「え…?」
「なんで、お前が来んだよ…
しかも勝手に転校してきてるし…」
「何それ、なんか私が悪いみたいじゃん!」
「実際悪いだろうが!」
「悪くないもんねー!
ケーちゃんとの約束守っただけだもん!
ばーか、ばーか」
「なっ!
第一お前…オレと逢ったとき全然気づいてなかったじゃねぇか!」
「それは…
じゃぁ、ケーちゃんは気づいてたの!?」
「アーン?当たり前だろ?
俺様を誰だと思ってやがる」
「だから、マネージャーしたい言ったとき 正レギュラー専属マネになれって言ったり
親切にマネの仕事教えてくれたりしたの?」
「当たり前だ」
「じゃ、じゃぁっ
さっき私がケーちゃんか聞いたとき…惚けたフリしてたの!?」
「ああ」
あぁ、もうっ
何だ、この人は最初っから全部知っていたんじゃない!
悔しい。
私は笑顔を見なきゃ…分からなかったのに。
彼はずっと気が付いていたんだ
「あぁ、もう!悔しい!」
「ま、オレ様の愛の方がでかかったっていうわけだ」
「私の方が大きいもんねー!
何たって、わざわざケーちゃんのために東京に引っ越してきたんだから!」
「お前は最初オレだって気づいてなかっただろうが」
「でも、大きいのー!」
悔しい!
当分彼には勝てそうにない。
「なら、同じでいいじゃねぇか
お前の愛も、オレの愛も」
「う、うん…」
微妙でエンド。