ブン太と私と詐欺師の間に
嵐がやってきた
甘味料
詐欺師に
キスをされた―
「詐欺師!?」
「奪っちゃった〜♪なんての」
「…なん、で……」
「のことが好きだから、に決まっちょる」
「で、も……私は、ブン太と…」
「ブン太ブン太、煩いきに」
彼氏がいるのに…
友達と…
どこの学校でも流れる
典型的なチャイムが
助けてくれた
「じゃ、ぁ。私…行くねっ」
よりによってブン太の誕生日に…
でも
ブン太も
私を傷つけたんだよ?
お互い様、だよね
なんで
隣の席なんだよ;;
ブン太も詐欺師も
なにも
両隣じゃなくったっていいじゃないかぁ
「ー」
「何?」
「朝はゴメンな?」
「何のことかなぁ、丸井クン?」
八つ当たりって
誤解を招く笑顔だったかもしれない
「…何怒ってるんだ?」
「何も、怒ってないよぅ?」
「怒ってるだろぃ」
「嫌だなぁ、怒ってないってばぁ」
基本は笑顔を崩さず
声だけ怖く
ブン太も諦めたのか
その時間は一言もしゃべりかけてこなかった
今日の授業はサボろうと
屋上へ向かった
「お前と、どうしたんだ?」
扉越しに
「何もないとよ?」
2人の会話が聞こえた
「嘘吐け。いつもなら話し掛けてくるくせに」
「そんなに知りたいんか?」
言わないで
「何を」
ソレを言わないで
「とオレの間にあったこと」
「?」
「キス、したんじゃよ」
言わないでってば!!!
「子供の頃にか?」
「いんや、今朝」
「!?」
「お前さんが女子からもらって、にケーキ投げられたじゃろ?
、すっごく落ち込んどったきに」
「それで、お前がキスしたのか?」
「そうじゃょ」
もぅおしまいだ…
「…」
「のぅ?」
詐欺師は私の存在に気づいてたのか
「…ぁ、ぁは?」
「ホントなのか?」
「…」
「何とか言えよ」
「ホントのこと、言ったら…ブン太は別れるでしょう?」
「仁王とキス、したんだな」
「ぅん」
終わりなんだ
ブン太との恋愛は
でも
何で、ブン太の誕生日に…
「…え?」
「別れねェ
別れたら、仁王の思う壺だろぃ」
「でも、浮気したんだよ?
ブン太以外の男の子とキスしたんだよ?」
「んなの、これから何度もしたら消えてゆくって」
ぎゅっって抱きしめたまま
ブン太は優しく言ってくれた
「邪魔しちゃ悪いかもしれんが
もうすぐ、部活が始まるきに
早う行かんと、真田がおこる…」
「え、マジ?」
「ほれ、もう4時じゃ」
仁王の携帯のディスプレイには
3:59
と表示されていた
「ャッベ…じゃぁ、!
教室でまってろぃっ」
「ぅん」
ウトウトと
睡魔が襲ってきて
いつのまにか
寝ていた
「…」
誰かに呼ばれて
目を覚ました
「…ぁ?
あ、黒魔王…」
「そろそろ起きないと、ブン太が来るよ?」
「え、もうそんな時間!!?
あっちゃぁ、完全に寝ちゃったんだ…」
「ねぇ」
「?」
「ブン太以外のヤツとキスした?」
「!!
なんで、知」
「ブン太の様子がおかしかった。
仁王を睨みつけてばっかりで
仁王も、いつもの仁王じゃなかったから
相手は仁王なんだね」
「ぅん。
ね、私彼女なのにね
ブン太の誕生日に詐欺師とキスしちゃったんだぁ…」
「ブン太に言われたとおりにすればいいんじゃないかな」
「…黒魔王、有り難う」
「!」
ジャージ姿のままで
多分テニスコートから全速力で来たんだろうと
思わせる汗の量
ガムを噛むことも忘れたブン太が
教室までやってきた